Patty Waters 1996

1,Love Songs/Patty Waters (Jazz Focus) 1CD 890円
1965－66年あのESP-Diskに2枚のアルバム「Sings」「Collage Tour」を残し姿を消したシンガー、パティ・ウォーターズの30年振りとなるアルバム。今更ながらですが買い逃していてやっと先日入手しました。

先に挙げた2枚のアルバムでアヴァンギャルド・ジャズ史に燦然と名を残すシンガーとなったパティ・ウォーターズ。「Sings」では抒情性さえ感じる淡々と進む弾き語りのボーカルものでスタートし、一転、最終曲"Black Is the Color of My True Love's Hair"でバートン・グリーンのトリオと共に静寂から阿鼻叫喚のフリージャズに突入する。「Collage Tour」はバートン・グリーンのトリオ、ジュゼッピ・ローガン～ディヴ・バレルのカルテットをバックにしたNYの大学でのライヴ録音盤。アルバート・アイラーに衝撃を受けそのスタイルに至ったという揺れ動き、軋み、歪み、わめき、絶叫、そして静寂の唯一無二の唱法ボーカルが屈強のフリージャズの闘士達と相まみえる。嘘か真かあのYoko Onoも直撃を受け大いに影響を受けたとも。

ということで、そのESP盤から30年を経て録音された本盤。歌っているのはご覧の通りスタンダードナンバーがズラリ、ジェシカ・ウィリアムスのピアノのみをバックにあっけらかんとフツーに歌います、が、その声はかつての絶唱の影響なのか喉が完全につぶれかすれてしまっていて聴いているこちらが息苦しくも。が、その奥には30年前には無かった大人の静寂と優しさが。自身のアルバムを何枚も出すエシカ・ウィリアムスのピアノが付かず離れず素晴らしいサポート。なかなかユニークなピアニストと思えましたが。

1 My Foolish Heart
2 I've Got A Crush On You
3 When Your Lover Has Gone
4 Someone To Watch Over Me
5 Don't Explain (Talking Version)
6 Summertime
7 Fine And Mellow
8 Willow Weep For Me
9 Don't Explain (Sung Quietly)
10 Mean To Me
11 Nature Boy
12 Mood Indigo

今では「You Thrill Me: A Musical Odyssey 1960-1979」なる未発表曲集、未聴ですが「Happiness Is a Thing Called Joe: Live in San Francisco 2002」なるライヴ盤もリリースされています。








Patty Waters - I've Got A Crush On You



Patty Waters - Black Is The Colour Of My True Loves Hair(1965)




PATTY WATERS ~ Songs of the one (I love) or love, my love（1966）